昨今、仮想通貨のICO(イニシャル・コイン・オファリング)が相次いでいる。ブロックチェーンのシステムによっては多くの賛同を得られるだろうし、企業にとっては資金調達の手段に手っ取り早い。ICOに出資者側もそのコインの相場が上がれば儲かる訳だし、成功すれば双方にとって、これほどうまい話はないだろう。
21日にシビック(CVC)のICOが行われた。期間は1週間で3,300万ドル(約36億6,000万円)を上限としているが、間もなく締め切りそうな勢いだ。シビックのICOに参加するにはビットコイン(BTC)かイーサリアム(ETH)、もしくはドルでの購入も可能だ。しかしながら、最近のICOブームはまるでバブルのようだ。“ビットコインバブル”などとよく言われるが、“ICOバブル”とも言えるのではないだろうか。
将来性うんぬん、ICOが行われるとなれば、出資者はいくらでもお金を出したがっているような流れだ。まるでいつかの「IPOバブル」を想起される。当時は何構わず未上場株を買っていれば儲かるような時代だったが、中にはIPOに失敗して苦い思いをした方もいるだろう。今、ICOバブルだ!と浮かれている方は、あの頃を思い返して頂きたい。
とはいうものの、ICOは魅力的だ。そのコインが本当に世に必要とされるものであれば、高値が付く可能性も期待できる。過度の期待は禁物だが、見込みゼロで出資する方はいないだろう。また、これから出資を考えている方は、くれぐれもICOはリスクが高いということを承知の上で参加して頂きたい。
今回のICOでビットコインやイーサリアム建てでの支払いがいくらほどだったかは、まだ明らかにされていないが、本日(6月22日)はビットコイン、イーサリアムともに値を下げている。上位銘柄で目立つのはライトコインくらいだろうか。先日20日のステータス(SNT)に今回のシビックと立て続けにICOが行われた割には仮想通貨市場全体では波風がおとなしい。
イーサリアムの先の下落もすぐに取り戻すと市場は予測しているが、果たしてどうなるか。7月の非課税に続き8月のUASFと、ビットコインからイーサリアムに傾きそうな材料も揃っている。今後の相場動向をしっかりと追って見ていきたい。