ビットコインなどの仮想通貨は多くのコンピューターにそれぞれ分散型台帳として暗号化され、取り引きの管理をしている。これを計算することで対価としてビットコインを受け取ることができるのだが、この動作を金の採掘となぞらえて「マイニング」と呼ばれる。

発行上限数が決まっている仮想通貨ではマイニングできる量にも制限があり、日々マイナー(採掘者)と呼ばれる方たちによって、採掘合戦が繰り広げられているわけだが、これをするためには主にコンピューターで使用される「グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)」などの性能を高める必要がある。また、電力消費や排熱処理の手間もかかるため、日本国内ではかなりの設備投資と管理体制が求められるため、マイナーにスポットライトが当たることは少ないが、比較的電気代が安く空冷設備の整えやすいアイスランドなどの国が有利だとされている。(設備と電力確保さえできればこの限りではない)

上述したプロセッサ関連の企業の株価がここのところ高騰している。「NVIDIA(エヌビディア)」に注目したい。同社の開発によるGPUは、とくに性能面において抜きん出ているため仮想通貨のマイナーからの需要が高い。ブルームバーグによると、6日のRBCキャピタル・マーケッツの調べではマイニングリグ市場は約13億ドルと見込まれており、その内GPUに対する需要は8億7500万ドルの達する可能性があるとしている。また、GPU市場全体のエヌビディアのシェアは約75%を占めているという。

このことから、エヌビディアの株価がこの1年で3倍まで高騰しているのも、マイナーからの需要が高いことも要因のひとつとして考えられる。同じくエヌビディアと競合するAMD社もこの一年で3倍ほど株価を上げている。直接的な関連付けとするのも難しいところではあるが、より高い演算処理ができる高性能なGPUを求めるマイナーからの需要が高まっていることは間違いないだろう。

仮想通貨が活性化している昨今、これから株式市場にどれだけの影響があるのか、仮想通貨の市場だけでなく、それに関連づけられる企業にも期待が高まっており、市場では今後の相場動向が注目されている。