昨今、ネットやSNSでも「今仮想通貨を買えば確実に儲かります」といった主旨を謳い、セミナーなどへの参加を促す内容のものが散見される。楽をしてお金を稼ぎたいというのは誰しも同じ。そういった心理をついた悪質なセミナーが後を絶たない。中には、優良なものもあるかもしれないが、大半は仮想通貨を騙る投資詐欺であるのが現状だ。

NHKが伝えるところによると、2年前に「新しい仮想通貨」への投資を勧誘するセミナーにて、120万円分の仮想通貨を購入した男性が、セミナー主催側に上場予定と言われた日程を過ぎても上場されずに他の通貨と取引ができなかったという。

ICO前の取引は注意が必要

この場合でいう上場というのはICOというもので、株式でいうIPOのようなものです。仮想通貨を売買するためには必ず取引所に認証される必要があるのですが、ここに認証される前に購入できるため、他の投資家たちより早く入手することで、後の値上げにも期待できるといった手口で「持ってるだけで2倍から4倍になる」とウソをつかれたという。

仮想であるがゆえ商品自体もなく、“ビットコインバブル”などという言葉ひとつで一攫千金を夢を見てしまう方も少なくない。しかし「確実に儲かる」という投資はあり得ない。世界的な資産家や権力者が血眼になって儲かる方法・情報を探し続けてようやくあるかないかだろう。所謂インサイダーや仕手情報も確実とは言い切れない。

話は戻るが、ビットコインに代表される「仮想通貨」。ビットコイン以外のアルトコイン(オルトコイン)も数多く存在し、俗に1,000種類異常ある。聞きなれない通貨が出てきたら、これはまだ取引が少ないので、「これから普及したらものすごい利益が出そうだ」とろくに調べもせずにお金を出してしまいそうだが、その前に何点か確認していただきたい。最低でも以下の3点は抑えるように警戒して頂きたい。

1「仮想通貨交換業」の確認

国内で仮想通貨を法定通貨と交換をするには仮想通貨交換業への登録が必要だ。セミナーなどで仮想通貨の購入を勧められたたら、セミナー主催が仮想通貨交換業に登録しているか、確認を怠らないよう気を付けたい。登録がないようであれば、そもそも取引自体不可能なので、ICOに向けた動きもウソの可能性が高い。細かいところではあるが、大事なお金、それも大金を預けるのだから、こういったところにも気を配る必要はある。

2「アルトコイン」の種類を調べる

セミナーでは、その場での入金や近日中の入金を迫られる例が多い。これは購入者に調べさせる猶予をできるだけ与えさせないための詐欺師の常套パターンだ。入金期日が明日まで、といった申込み内容であったり、その場での支払いを求められるようなら詐欺と断定してもいいだろう。もし、仮想通貨を購入するのであれば、自分が購入するコインについて熟知しておく必要がある。それも他人から聞きかじった話ではなく、実際に自分で調べた上で、信用できる情報だけを材料にするべきだ。

3「確実に儲かる」は99.9%儲からない

「今買えば儲かる。」「必ず儲かる」「今だけ」「◯倍は確実」など言葉巧みに煽るケースが多いが、“今”といった緊急性を持たせたり、“確実”のように安心して投資できると勧められてしまったら、「買ってみようかな?」と思ってしまうのが人の心理。しかも、セミナーまで足を運ぶくらいなので、前のめりに話を聞いて鵜呑みにする方も多いだろう。これは仮想通貨だけではなく、証券や先物、その他外貨、不動産など、どの投資でも同じ。「確実に儲かる」と言われたら警戒して頂きたい。セミナー独特の空気で、サクラの大口出資者などが1,000万円ほど申し込んでいたら自分も100万円くらいなら、という考えもわからないでもないが、「確実に儲かる」という言葉は危険極まりないということを覚えておいて頂きたい。例としてだが、銀行を訪ねた際に、「これは確実に儲かる商品です」と銀行員に窓口でオススメされたら違和感を感じないだろうか。

他にも気をつける点は多々あるが、まずは未知のものに投資しないこと。投資で利益を求めるには必ずリスクは付き物。自分がその商品を充分に理解した上で、購入するかどうかの判断をするよう、気を付けて頂きたい。