仮想通貨ビットコイン(BTC)が先日まで乱高下をしていたが現在、ようやく落ち着きを取り戻しつつ、20万円台後半で押しあっているように見える。このビットコインをめぐる一連の流れが円やドルに対しても影響があるのではと投資家の間では関心が高まっている。
ロイターがみずほ証券チーフストラテジストの山本氏に対して行った取材によると、「現在は相関性が薄いもののビットコインのETFが組成されれば機関投資家の投資対象となるため、相関する可能性もある」との見方をしているようだ。ビットコインのETFが組成されれば、そこに機関投資家が流れ込むのは当然の流れだ。
仮にこれがビットコインでなくても、その他のオルトコインでも同じことが言える。ETFが認められれば、機関投資家の資金が流入するということは、明白だ。「ビットコインのETFが認められるのかどうか」というところが論点になってくるのだが、ビットコインはまだ投機であって、金融商品としての認識は早いと言えるだろう。ただ、金融商品として扱うにしても、現状ではそこまでの体制が整っていないから、ここでの判断が難しいだけという見方もある。
ネットでも「博打そのもの」「ジャンク債になる」「経済兵器のような気が」といった意見が多く、為替に与える影響以前に金融商品としての認識は充分に得られていないといえる。そもそもビットコインは仮想通貨なので、投資対象としてではなく、決済の手段として流通していくのが望ましいのだが。
山本氏によれば、「ドル/人民元とビットコインはトランプ相場で影響はあった」としており、「ドル高・人民元安が強まった時にドルの代替として規制のないビットコインに買いが集中し、人民元安が対ビットコインで進んだ」と考えられている。
米証券取引委員会では今年3月にビットコインのETFの申請を却下したが、今後も可能性はあるのか。現在はイーサリアム(ETH)が米証券取引委員会にETFの申請をし、審査されているとのことだ。
たとえETFが組成されないでも、なんらかの要因で個人投資家たちがドルや円に対し、大量にビットコインを買い換えることがあれば、多少なりとも為替に影響をきたすのではないだろうか。こればかりは、各々の判断によるところなので、今はまだ答えを求めるところではない、というのが正論だろうか。
参考:REUTERS