PCを自作する方ならご存じ、マザーボードメーカーのASRockが、仮想通貨ビットコインのマイニング(採掘)に特化した新しいマザーボード「H110 Pro BTC+」を「COMPUTEX TAIPEI 2017」で展示発表し、その性能が注目の的となっている。

ビットコインを採掘するためには超ハイスペックの演算処理性能が求められるわけだが、一般的に個人で採掘をする場合はグラフィックボードのGPUメモリを使用する。何本かグラフィックボードを追加し、効率化を図るマイナーが多いのだが、通常マザーボードのスロットは多くて4、5本程度。(メーカーにもよる)

しかし、ASRockが今回発表したマザーボードは13スロットあり、グラフィックボードを挿しまくれる仕様となっている。現時点ではスロットはあるものの8本までしか対応していないが、今後ドライバのアップデートにより13本挿した状態でフル稼動できるようになるという。また、同製品の価格や販売時期は未定となっている。

一台のマザーボードで13本もグラフィックボードを使うのは少々イカれてると思うが、これを使ってビットコインを採掘するとなると、水冷設備や電源確保の見直しもしなければいけないだろう。ちなみに、これの稼動していたデモ機には1200W電源が2基、1000W電源が1基で合計3基合わせて、3400W確保している。なかなか手ごわいが浪漫があるマシンだ。

ネットでは「ビットコインの採掘とか今さら感、」「変態の趣味」とする、あまり好意的ではない意見も多いが、消費電力との採算がとれるのであれば導入していくべきだし、メーカーが先導してこういったマイニングに特化したマザーボードを発表したのはマイナーにとっては前向きなできごとではないだろうか。

数に限りのあるビットコイン。掘り尽くされる前に掘りまくるか、ビットコインに限らず他の暗号通貨を狙って、採掘するのもアリだ。資金のある方は、これを機にまだ採掘が進んでいない、暗号通貨の採掘工場を作ってみるのも面白そうだ。

ASRockは台湾の企業。2002年に設立され、主にマザーボードを中心に製造・販売している。世界で上位のマザーボードメーカー。他の企業とひと味違う常識にとらわれない製品が魅力的で熱狂的なファンも多い。今後もこういった他所がやらないような製品を世に出していただきたい。発売時期や価格などの詳細情報の発表が待たれる。