関東財務局に認可を受ける暗号資産交換業者FTX Japan株式会社が11日、業務の一部を一ヶ月停止するなどの行政処分を受けたことを明らかにした。

FTX Japanは米国の暗号通貨取引所FTXの日本法人として設立されており、FTXは米国でスーパーボウルに広告を出し、スタジアムの命名権を得るなど一般的な知名度も高い、世界的最大手の暗号通貨取引所の一つとして知られる。

そのFTXを巡って本国で信用不安がおこっている中で、FTX Japanは顧客から預かっている暗号資産や証拠金などについて、再開の日程を示さないままに引き出しを停止したとして、関東財務局は行政処分を行った。

関東財務局は「FTX Japanは事業を遂行するために必要な体制を準備していない」と指摘し、会社の資産が国外の関連会社などに流出し、債権者や投資家の利益が害されることが無いよう万全を期す必要があるとしている。

FTX Japanの公式サイトでは現在新規登録の受付や出金サービスを控えている旨メッセージを表示しているが、ヘルプページに別枠で出金サービス再開の投稿がされている。

また、行政処分に関するお知らせとして「新規口座開設の停止」「現物取引の停止」「法定通貨の入金及び暗号資産の入庫の停止(追証に対応する場合は可)」「新規のパーペチュアル及び四半期先物取引ならびにこれらデリバティブ取引に関わる証拠金等の預託の停止(決済取引のみ可)」と対応を示している。

本国のFTXではその破綻騒動がリーマンショック級とも呼ばれる大騒動となっているが、BTCやETHの市場価格は(暗号通貨としては)現段階ではそれほど大きく影響はしていないようだ。

FTX Japanは「お客様からの預かり資産に関しましては当社において全額保全されております。」と記しており、金銭に関しては信託口座に預託し、暗号資産はコールドウォレットに保管していると述べている。

行政処分に対してFTX Japanは、改善プランの内容や実施状況、新規申込受付及び取引の再開等については逐次報告していくと結んでいる。