ロシア中央銀行(CBR)のオルガ・スコロボガトバ第一副会長は現在計画中の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルルーブルを指して「非常に必要とされている」と説明し、今後のテスト日程を遅らせることはないと述べた。

副会長は「テストと法改正を迅速に進めれば今後数年以内に実現できる」と語った。

CBRは1月にデジタルルーブルの試験を開始し、2月には個々のウォレット間での取引に成功したことを公表している。

現段階で12の金融機関が実験に参加しているとされ、実験は2022年内一杯継続されると予想されている。また、参加しているすべての銀行が技術的なテストに参加する準備が出来ているわけではないと副会長は注意を促したが、それによりテストが遅れることはないと主張した。

秋には試験の第2段階が開始される予定であり、このフェーズではデジタルルーブルによる商品やサービスの支払いや、政府の移転を伴う業務を開始する予定としている。また、連邦財務省と協力してスマートコントラクトの発行も予定している。

ウクライナ侵攻に対する西側からの制裁にあえぐロシアでは、制裁回避に向けて暗号通貨に注目が集まっているという。また、ロシアの外貨準備金が凍結されていくなか、ロシアは米ドルへの依存を減らすためにCBDCを準備通貨にするという意向も示している。