Meta(旧Facebook)の構想した通貨バスケット制暗号通貨「Diem」が紆余曲折を経て発行を断念することが明らかにされた。Diem協会の抱える資産はSilvergate銀行へと売却された。

Diemは当初Facebook社がLibraプロジェクトとしてスタートし、マスターカードやVisa、PayPalなどの決済会社や、Uber、Spotifyといったテック企業それぞれの大手が参加していた。

その後は政府当局とのすり合わせに難航し、リリースには至らず、Facebookからの個人情報流出などといった信用問題の毀損なども重なり、Libraから離脱する企業も相次いだ。

参加企業の構成などを改め、LibraからDiemへと名称を変更し、再度発行へ向けて舵を切り直してきたところだが、今回発行断念の運びとなった。DiemのStuart Levey CEOはプレスリリースにおいて「連邦規制当局との対話から、プロジェクトを進めることができないことが明らかになった」と語っており、売却の決定がくだされた。

Facebookは事業の中核を仮想空間メタバースへと移行することを明らかにしており、社名も併せてMetaへと変更した。Diemはメタバース内での基軸通貨に据えることを想定されており、Meta社の新規方針の根幹に深く根付いたプロジェクトだっただけに頓挫は計画を大きく狂わせるものとなる可能性が高い。

MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は以前、Diemの発行に渋る当局者たちに対し、基軸通貨である米ドルの座に胡座をかいていると他国主導のデジタル通貨に遅れを取る可能性があると警鐘を鳴らしたことがある。

いよいよ開幕する北京オリンピックでは中国のデジタル人民元がグローバルなお披露目を迎える予定となっており、中国がデジタル人民元開発を加速させた一つの要因として皮肉にもDiem構想があったとも言われている。

Diemの資産を購入したSilvergateはデジタル通貨に焦点を当てた銀行として知られ、MetaによるDiem構想は日の目を見ることはなかったが、今後Silvergateが手に入れたDiemの遺産をどのように活用していくかは引き続き注目が集まる。