中国発の中央銀行デジタル通貨(CBDC)となるデジタル人民元(e-CNY)を取り扱うためのウォレットアプリがiOS、Android向けのそれぞれのアプリストアに登録され、リリースが発表された。

中国は今冬開催される冬季オリンピックへと訪れる各国の人々にデジタル人民元を使用してもらう目論見をかねてから語っており、オリンピック開催に先駆けたこのタイミングでのリリースへと至った。

リリースされたウォレットアプリは現在パイロットテストバージョンとなっており、中央銀行である中国人民銀行(PBOC)のデジタル通貨研究所によって開発された。デジタル通貨電子決済(DCEP)とも呼ばれ、中国国内のiOS、Androidアプリストアからダウンロードができるようになっている。

アプリストアにリリースされるまでにもプライベートリンクからウォレットの配布は開始されており、デジタル通貨研究所の発表では、2021年10月の時点で約1億4000万の口座開設が行われ、ローンチ以来の累計取引額は約620億元に達したと語られた。

中国人民銀行の易綱総裁は2021年11月、既存の決済ツールとの相互運用性を高めるなど、引き続きCBDCの開発を進め、設計と使用方法を改善していくと述べている。

北京オリンピックは開会を迎える2月4日まで1ヶ月を切り、政治的な問題は切り離されないまま各国が外交的ボイコットなどの対処を検討していることに加え、コロナ禍は依然収束を見せず、オミクロン株による世界的な再拡大のさなかにもある。

オリンピックでの世界中へのお披露目は当初の想定通りとはいかなそうだが、経済大国によるCBDCにおいてリーダー的ポジションを取ってきた中国による試金石となる重大なイベントが訪れる。