イラン当局は寒い冬の間、電力不足に直面することが予想されるため暗号通貨マイニング業者に活動を停止するよう求めた。夏季にも同様の勧告がされ、認可された企業は9月からマイニングを再開していた。
イラン政府は今後数ヶ月に及ぶ全国のエネルギー需要の増加を予想しており、電力不足を回避するための措置を講じている。イランの電力会社Tavanirは認可暗号通貨マイニングセンターに対して電力を大量に消費するハードウェアのプラグを抜くように指示したことが報じられた。
Tavanirのスポークスマン曰く、イランのエネルギー省は先月から発電所での液体燃料の使用量を削減しようと試みていることが伝えられており、暗号通貨マイナーへの電力供給制限は、安全が十分確保されている場所での夜間の街灯の消灯などを含む、消費行動の監視リストの一部であると述べた。
Tavanirはこういった対策が冬季の電力需要の高い時期の停電を防ぐために役立つと考えを述べ、イランの発電所が今後数カ月間の燃料消費を節約できたと付け加えたが、一方で消費者にも電力使用量に注意を払うようお願いをした。
イランの認可暗号通貨マイナーにとって操業のコントロールは今回が初の出来事ではなく、5月にも同様に電力需要の高まりを見越してマイニングの一時禁止を命令されていた。
5月から9月までと長期に渡る停止命令だったが、これに対して地元の暗号通貨コミュニティからは批判が噴出した。推定によると一時的な停止により節約された1日あたりの電力使用量は300MWほどと見積もられているが、非認可の違法な暗号通貨マイナーによる電力消費は1日あたり3000MWにも登ると見られている。
2019年よりイランではライセンス制度を導入し、暗号通貨マイニングが合法化することとなったが、認可マイナーは一般よりも高い電力料金が強いられており、多くのマイナーがライセンスを無視してマイニングを継続しており、締め付けを行うごとに認可されたマイナーからは反発が高まって来ている。