暗号通貨として2番目の流通量を誇るイーサリアム(ETH)が取引手数料を5分の1に削減することを目的としてイーサリアム改善提案(EIP)を提唱したことが明らかとなった。6月末から取引手数料が高騰していることを受けユーザーからの苦情が多く寄せられており、1トランザクションにつき約5ドルから34ドルの手数料が求められている。

イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が24日にGithub上の開発コミュニティでコスト削減を目的としたEIP-4488を提案。EIP-4488は「トランザクションコールデータのガスコストを削減し、1ブロックに含むことのできるトランザクションコールデータの合計量に制限を追加する」とされている。

OptimisticやZKロールアップなどのレイヤー2ソリューションで利用されるコールデータと呼ばれるスキームを活用することでトランザクションコストを5分の1まで削減することができることが推測されている。

他のイーサリアム開発者であるティム・ベイコ氏もこの提案について自身のTwitterアカウントで議論しており、副作用の一つとしてイーサリアムのブロックサイズに影響を与える可能性があると述べている。

現在、イーサリアムユーザーは高価なレイヤー1ネットワークを利用した取引はほとんど行っておらず、ロールアップソリューションを利用しているが、レイヤー2ソリューションにおいてもレイヤー1より安価とはいえベイコ氏のTwitter上の議論においては依然として高額であると語られている。

ベイコ氏はまたEIP-4488の課題に併せて、クライアントの抱える1年以上前の履歴データをローカルで削除できるようにするEIP-4444などの提案についても実装の必要性を説いた。EIP-4444によって肥大化し続けるデータを軽量化することができ、ネットワークの帯域幅の使用量を少なくさせ、EIP-4488によってもたらされるブロックサイズの肥大化にも対処ができる。

8月に行われたロンドンアップグレードによりイーサリアム2へ向けた準備は着々と進みつつあるが、12月には再びディフィカルトボムの延期を迎えるなど次世代イーサリアムの開始はま待つこととなりそうだ。