イタリア国家証券委員会(CONSOB)のパオロ・サボナ委員長は月曜日に、暗号通貨を適切な規制なしに運用することに対して懸念を表明した。CONSOBは証券市場の規制を担当するイタリアの政府機関である。

サボナ委員長は年次報告書に添えて暗号通貨に対して「適切な監視がなければ、市場の透明性、合法性の基礎、および事業者の合理的な選択が悪化する可能性がある」と語り、規制が不足したまま4000~5000の暗号通貨が流通している現状を指摘した。

また、イタリアで何百ものウェブサイトが不法に資産を集めているとCONSOBが認識していると述べ、ヨーロッパレベルでの解決策を見つけるのに時間がかかりすぎる場合、イタリア独自の対策を講じる必要があると強調した。

その匿名性から犯罪性向との親和性が指摘される暗号通貨だが、サボナ委員長もまた脱税・マネーロンダリング・テロ資金調達・身代金などの犯罪活動に使用される可能性について警告した。

欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド代表もまた暗号通貨に対して同様の懸念を表明しているが、同じ欧州でもスイスはツーク州を“クリプトバレー”と称し、特区としてブロックチェーンや暗号通貨の研究や実証実験を執り行っており、マルタでも“ブロックチェーン島”というキーワードを掲げるなど、多くの投資をしてきた国家などもあり、EU全体での規制に対するコンセンサスを得ることは容易ではない。