中国人民銀行 (PBoC) と北京地方金融監督管理局は、地元住民向けの新しいデジタル人民元のテスト実施を発表した。

新たなテストでは200デジタル人民元のパッケージ20万組を地元住民に配布する。中国のお年玉である紅包(ホンパオ)に倣いデジタル紅包とも呼ばれる。(200人民元はおよそ3400円)

デジタル紅包は中国銀行、もしくは中国工商銀行のモバイルアプリを通じてデジタル人民元として受け取ることができ、受け取ったデジタル人民元は加盟小売店で利用することが出来る。

TencentやAlibaba、Ant、Mastercard、Jd.comなどの多くの企業がCBDCのテストを実施しており、デジタル人民元のリリースは間近にあるような報道が続くが、同じく特区として多くのテストが実施される広東省の深セン市では、必ずしもCBDCが歓迎されているわけではない声が上がってきている。

深セン市地元住民によれば、中央政府による監視の目が現金使用にまで及んだ可能性を懸念しており、プライバシーの観点から結果として殆どの住民がCBDCに興味を示していないと報告されている。

一方で中国人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長はデジタル人民元を他の決済方法と比較して最高水準のプライバシー保護を備えていると評しており、一般ベンダーはユーザーの個人情報を取り扱うことなく決済が利用可能であると述べているが、銀行がマネーロンダリングと戦わなければいけない以上、完全な匿名性を与えることは難しいと語っている。