南アフリカ準備銀行(SARB)は25日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実現可能性調査を開始したことを発表した。発表ではCBDCは銀行間でのみ運用されるものではなく南アフリカの一般的消費者が小売店などで利用できるものを想定していると述べた。
SARBは今回の調査で様々な新興技術プラットフォームにおける実際の実験が含まれており、ポリシー、規制、セキュリティ、リスク管理への影響など、さまざまな要因が考慮されると述べた。
SARBは今回の実現可能性調査が、商業銀行と他の利害関係者との間の卸売りレベルでの高額取引の決済に焦点を当てたプロジェクトKhokhaとは異なるものであると前置きしつつ、2つの調査がより良い整合をもたらすことが期待されると語った。
一方で、近い将来にCBDCがリリースされる可能性に関しては低く見積もっており、現段階ではCBDCを発行する決定はくだされていないことを強調した。
SARBは2017年にイーサリアムブロックチェーンテクノロジーを利用して支払いのパフォーマンス、規模、機密性が可能かどうかを評価するためのシミュレーションを作成し、このシミュレーションにおいて2時間以内70,000トランザクションの目標を超えたことが報告されている。また、95%の決済が1秒未満で、99%が2秒未満で伝播を達成しており許容できるパフォーマンスを達成可能であることが実証された。
最新の実現可能性調査に関して、SARBは、汎用CBDCの発行が中央銀行の政策的立場と任務にどのように影響するかについても検討すると述べている。