現在テストが実施されている中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元が、これまでで最大となる合計2000万元(約300万米ドル)に及ぶ配布を10万人に対して実施することを蘇州市当局が明らかとした。

4日金曜日に発表された蘇州市の声明によると、12月11日に合計10万アカウントに対してそれぞれ200元(約3,200円相当)のデジタル人民元をエアドロップする予定とし、今回配布されるデジタル人民元の有効期限は12月27日までと短期間の景気刺激政策としても機能すると見られる。

上海の西に位置する蘇州市に居住する中国人であれば誰でも市の公共アプリであるSuzhoudaoを通じて応募できるとしており、当選者にはデジタル人民元アプリへ200元が送付される。

また、中央銀行である中国人民銀行が「デュアルオフラインウォレット」と呼ぶ、インターネットへ非接続状態であっても使用可能なウォレットのテストも実施しており、これによりデジタルウォレットの問題点を解決し紙幣や硬貨をデジタル人民元へと効果的に置き換える事ができると期待されている。

現在世界中で取り組まれているCBDCだが、各国に先んじて研究開発への投資をアピールした中国だけに技術的にも運用的にも注目が集まる。