4日に開かれたスマートコントラクトプラットフォームEthereumのコア開発者による会議でガスの高騰が議題となった。ガス代高騰の解決策として会議ではガストークンが提案された。
ガスとは、Ethereumでトランザクションを処理する際に支払われる手数料を指す。ガス代は固定ではなく決済時に任意で指定できるが、ガス代を低く設定されたトランザクションは処理が後回しにされやすくなり、送金速度とのトレードオフとなっている。
そのガス代が現在、DeFi需要の高まりとともに高騰してきている。ガス代の単位はETH通貨の補助通貨であるwei(=0.000000000000000001)に慣例的に接頭辞ギガ(G)を使用して表される。Ethereum分析プラットフォーム「Etherscan」によれば、2019年8月31日に平均14Gweiだったガス代は、2020年同日に平均236Gweiまで高騰してきている。
グローバルであることが仮想通貨のメリットである反面、物価の低い地域にとって手数料の高騰は取引全体の価格を大きく圧迫することになる。
こういったガス代高騰のソリューションとして提案されたのがガストークンだ。トランザクション手数料としてガスの代わりにガストークンを利用できるようにすることで、ガス代が安い時期買い入れたガストークンをガス代が高騰してきたときに使用することができるようになる。先物取引のように働くことで、ガス代の価格変動を抑えることが期待されているが、懸念点としてトークン化されたガスが将来的に取引手数料の下限として働き、恒久的に高額になってしまう可能性が指摘されている。
未だ提案段階のソリューションだがEthereum限定の問題ではなく、同様の設計をしているブロックチェーンネットワークにとっていつでも起こりうることでもある。業界をリードするプロジェクトであるEthereumが解決策を示すことに期待をしたい。