分散型台帳技術による即時グロス決済を提供するRippleが公式ブログにおいてブロックチェーンの匿名性に関する研究について言及した。

投稿内ではブロックチェーンがハッキング困難な堅牢性を示しつつ、プライバシーに関する懸念を指摘している。

オランダの国立大学、デルフト工科大学のステファニー・ルース助教授は、本名を必要としないビットコインの匿名性はプライバシーを保護していると信じられている部分もあるが、同じアドレスを使用しつづけることで使用者とアドレスの特定が可能になるケースも考えられ、その後はすべての活動が筒抜けになると語っている。

支払い情報がオープンになりつづけることを望む人はいないと予測しており、そういった状況下では“ブロックチェーンいじめ”に繋がると述べた。一方でクリアな決済情報がもたらす恩恵として不正な取引に使用されていないかの監査が用意になるといった面もあるため、柔軟な匿名性が求められている。

そこでRippleの展開する大学ブロックチェーン研究イニシアチブ(UBRI)の枠組みを利用し、ステファニー氏の学生がRippleの送金ネットワークで使用されるネイティブ暗号資産であるXRPの匿名化に乗り出した。UBRIの助成金を受け、コンセンサスアルゴリズムの研究と、ブロックチェーンモデルの変換過程におけるセキュリティ脆弱性テストに取り組むこととなった。

UBRIの取り組みには日本でも東京大学、京都大学が参画しており、Rippleはアカデミックな分野からのブロックチェーン研究を世界中で支援している。

参考:Ripple