15日に発生したTwitterアカウント大規模ハッキング事件によって不当に集められたBTCの行方について動きがあったことをElliptic社が報告した。
セキュリティインシデントによって集められたビットコインのうち約22%にあたる2.89BTCの移動が確認された。資金移動にはミキシング技術が利用されていると見られている。
ミキシングは本来パブリックブロックチェーンによって保証されているはずの透明性をウォレット内に閉じ込め、送金先を曖昧にすることが出来る。そのため、捜査当局による追跡は困難になることが予想される。
1対1のトランザクションであれば送付側と受取側は、個人情報は抜きにしてもアドレス単位では特定が可能であるが、複数の取引を混ぜ合わせ、分割することで受取側アドレスの特定を避けることが出来るようになる。
匿名性を高めるためのサービスであったが、マネーロンダリングに流用されやすいことから問題視されており、ミキシングを提供するサービスの多くが閉鎖されている。
今回は、ミキシング機能を備えているウォレットが使用されたと見られており、ウォレットの開発者からは「不正利用されたことは残念だが、正しい理由のためにミキシングを利用しているユーザーもいる」と声明を出している。
取引の透明性は分散型台帳技術における骨格とも言える部分であり、ユーザーの望む匿名性とマネーロンダリング対策をどのように両立していくかが大きな課題として要求されている。
参考:coindesk