欧州一の再生エネルギー企業であるSONNENがブロックチェーン基盤の仮想発電所を構築することを発表した。SONNEN蓄電池は余剰エネルギーを蓄え、その他のSONNEN蓄電池とネットワークを組むことで蓄えられた電力を不足している地域へと届けられるようになる。

SONNENの本社があるヴィルトポルズリートは、人口3000人ほどの小さな町だが、再生可能エネルギーで需要の700%を生み出すことができるという。こういった余剰電力を蓄電できるシステムがSONNENのプロダクトであったが、今回の仮想発電所は蓄えられた電力を効率的に共有するためのシステムと言える。

必要な電力を必要なだけ使用し、余剰分を他へ回すということはスマートグリッドですでに提唱されている理念であるが、今回のブロックチェーンを利用した仮想発電所はその次のステップを実現するという。送電はスマートコントラクトによって行われ、成功した取引に対してブロックチェーンは仮想通貨DAIを報酬として支払う。仮想通貨DAIはイーサリアム上に発行されたドルペッグのステーブルコインである。

2018年には再生可能エネルギーによるものだけで5.4テラワット時のロスがあったとされており、もしも有効活用されていたら削減されていたであろうCO2に換算すると260万トンに及ぶ。再生可能エネルギーによる電力供給は不安定であるため、安定的な火力発電などに頼らなければならない現状があるが、効率的なエネルギーの流通が実現することで枯渇性エネルギーへの依存度が下げられると目されている。

参考:Sonnen