米議会下院中小企業委員会は3月4日、ブロックチェーンに関する公聴会を開催した。「中小企業向けのブロックチェーンテクノロジーの利点」と名付けられた公聴会には4名の識者が証言者として呼ばれた。議長は民主党のNydia Velázquez氏が務め、OWNUMのCEO・Shane McRann Bigelow氏、PopComのCEO・Dawn Dickson氏、Protocol Labsの法律顧問・Marvin Ammori氏、American Enterprise Instituteで客員研究員を務めるJim Harper氏が証言者として参加した。
Begelow氏はブロックチェーンで公的書類の削減が期待できることを主張。現在の米国では重要な記録などは基本的に紙ベースであり、多くの米国人は迷惑をしていると語った。またデータのメンテナンス性の低さも指摘し、ブロックチェーンによって出生証明書の提出や車両ナンバーの照会といった作業にかかる負担を軽減できると強調した。
議論は様々な立場から発言され、Begelow氏がブロックチェーンテクノロジー企業の視点から発言されたのに加え、Ammori氏は法律家としての視点からもブロックチェーンにかかる規制に関して意見を述べた。税に関して言及された際、仮想通貨への課税は税務処理が煩雑であり悪夢のようだと述べた。
現金以外の現金的利用を現金で課税するという歪さによる税務処理の煩雑さは、ブロックチェーンに社会の円滑さを求めることからすると本末転倒になるだろう。とはいえ非課税にするわけにもいかないため、現在議会で提案されている「デジタル資産税の公平性法」を支持するようAmmori氏は求めた。
また、Ammori氏はブロックチェーンテクノロジーの大量導入に関して、ユーザーインターフェースの強化、改善や技術的な向上など課題を認めた。ブロックチェーンに関する動きは中国が前進している印象も強いが、米国からの動きも要注目となりそうだ。
参考:中小企業委員会