イタリアのBitsaは、同社の発行する仮想通貨対応プリペイトカード、Bitsaカードが匿名通貨として知られているモネロ(XMR)をサポートすることを発表した。

ビットコインなどに代表される一般的な仮想通貨は各ウォレットアドレスが誰のものであるかは公開されない限りわからないものの、そのウォレットでどのような金銭の流れが行われているかは容易に追跡が可能である。一方モネロは取引ごとにワンタイムアドレスを発行する「ステルスアドレス」、そしてトランザクションを複数の公開鍵で署名し実際の送金者を特定困難とする「リング署名」によって匿名性に特化した仮想通貨として知られている。

匿名性の高さゆえかダークウェブ上での使用頻度の高さや、マルウェアとしてマイニングさせられる通貨として悪名もついて回っているのも特徴の一つだろう。

しかし、非合法な取引を一切しない健全なユーザーにとっても送金相手が筒抜けになっているというのは必ずしも好ましいものとは言えず、そういった匿名性に裏打ちされたモネロの人気というものは以前からあった。また、マイナーにとって半減期に入るビットコインにかわる収益源となるアルトコインを探っている時期でもあり、今回のBitsaとの提携はモネロにとって大きな追い風となることが予想される。

欧州内での国境や支払地と受取地の違いなどを問わずに同一基準でユーロを取り扱わんとする単一ユーロ決済圏(SEPA)にBitsaカードは対応しているため、法による規制などは存在しないとBitsaのヴァエロCEOは答えている。

Bitsaは先月末にもETH, TRXなどのサポートを追加した矢先の今回のモネロ拡充である。現金に対するクレジットカードのように、インフラ面などで仮想通貨を補完する形でBitsaのようなサービスが利用されていくならば、他の仮想通貨もまた決済業者との連携を進めていくことだろう。

参考:Bitsa