大手仮想通貨取引所のBinanceがヤフージャパン系列であるベンチャー投資のZコーポレーション、仮想通貨取引所TAOTAOと戦略的パートナーシップを組むことを発表した。

仮想通貨取引所としてみるとBinance側がTAOTAOより大きなシェアを持つが、ソフトバンクグループを頂点とする超巨大企業群との提携となる。また、ヤフーとソフトバンクの肝いり事業でもある国内QR決済の雄PayPayも控えており、ソフトバンクグループが送金・決済分野に力を入れてきている。

PayPayも大規模キャッシュバックキャンペーンで大きくシェアを増やした背景があるが、TAOTAOもまた仮想通貨取引の各種手数料をすべて無料としており手を広げていきたい現状。これから仮想通貨を取引していきたい仮想通貨初心者にとってもハードルが低い業者とも言える。

Binanceは日本でKYC(顧客の本人確認)を充分に行っていなかったとして金融庁から警告を受けた過去もあり、日本で展開するにあたって慎重な立場をとっていたが、昨年12月に日本語を話せる弁護士を募集していることが明らかとなり、日本再進出の噂が浮上している最中での今回の発表となった。

かねてよりBinance側から日本の仮想通貨取引市場に関してルール作りなどで称賛の声は聞こえていたが、それだけに参入が難しかったところを提携といった形で解決に乗り出してきた。日本に限らずBinanceは各国の現地法人と様々な形で提携してグローバル展開を続けてきている。

日本では現金信仰も根強くキャッシュレス文化は浸透しきっているといえず未だ初期段階と言える状態だが、仮想通貨に前向きな人々が世界的にも増加傾向にあり、世界で価値が認められれば日本もまた追随することは推測できる。

ヤフージャパンとBinanceという巨人同士の連携で今後どのようなサービスが打ち出されていくのか、今後の動向にも注目が集まる。

参考:Binance blog