リップル社によるプロダクトであるxRapidとxCurrentが統合された決済技術「ODL」が拡大の一途を辿っている。金融機関同士による国際送金を視野にいれた決済技術だが現在300社超が参加していると発表されている。また、シンガポールにて開催されているリップルのカンファレンス「Swell」において7日、ペルーの大手銀行インターバンク・ペルーもODLのネットワークに加入することを、同行のジョイシー・マンティラ氏によって明かされた。
また、リップルの公式Twitterによれば、マンティラ氏は銀行の技術の工場、さらにはサービスが行き届いていない人々と銀行との関係性を向上させる機会を提供できうると期待しているようだ。またマンティラ氏は金融機関のメリットとして既存の業務の削減と処理能力の向上を見込んでいる。
金融機関には高度なセキュリティが要求されるためシステムの変更には検証などに莫大なコストが掛かる。現在は金融機関にとって転換期と見られるが、それらのコストを織り込んでも、ODLを採用することで得られるメリットが勝つという見込みがあるということだろう。国際送金のコストが安くなることは、巡り巡って金融機関を利用しないペルー国民にとってもメリットが享受できる。
貧困化にある個人からすれば割高な手数料は家計を圧迫するだけのものでしかないが、無視できるほどに手数料が下がるならば資産を守ることが出来る選択肢として挙げられることにもなるだろう。
既存の金融機関は飽和状態に近く、資金確保をどこからしていくべきかは常に課題となっており、ペルーにとってはODL参加が起爆剤に繋がる可能性を秘めている。
日本でも手数料の軽減は歓迎材料ではあるものの、金融機関と取引しない理由が手数料であるというのは極めて限定的な条件と言えるだろう。そんな日本においての起爆剤となる点はどこだろうか。PayPayやLINE Payなどデジタル送金の需要は高まりを見せており、リップルの技術を採用した個人間送金プラットフォームということもありえない話ではない。
また、「Swell」2日目である本日にはリップルネット参加者同士を繋ぐ「リップルネットホーム」を新たに発表した。このまま加速度的な勢いを維持したまま、Rippleの名の現すとおり波紋のように一ユーザーの目の届く範囲まで広がりを見せるのか楽しみに見たい。