4大会計事務所、通称ビッグ4のうちの1社「KPMG」は25日、「ブロックチェーン対応のデジタルトークン化が商業変革の態勢を整える」と題した研究レポートを発表した。

このレポートの調査結果によると、調査対象者の約63%がデジタルトークンを「簡単な支払い方法である」と考え、約55%がトークンを使用することで「ロイヤルティ報酬をより建設的な方法で利用できる」と考えている。KPMGの顧客でブロックチェーンテクノロジーに興味があると答えているのが約3分の1程度であることを考えると、今回の調査結果は非常に興味深い結果となった。

また、とくにトークン化を受け入れているのは、2000年(もしくは1990年代後半)から2010年の間に生まれた世代である「ジェネレーションZ(Z世代)」だという。調査対象であるアメリカ人の18~24歳の83%は、トークンの将来に関心があると答えた。さらに驚くべきことに、65歳以上の高齢アメリカ人も、半数以上がトークンの将来にも関心があると答えたという。

一定期間忠実に利用した会員または顧客に対し、インセンティブまたは特典を提供するマーケティング施策として知られる「ロイヤリティー・プログラム」は、既にトークン化によって再定義されており、企業がトークン化を導入するための理想的なプラットフォームとして使用されている。調査対象者の82%は、既存のロイヤリティー・プログラムのメンバーとしてトークンを使用することを望んでいると答え、81%がトークンの使用について信用を置くと答えた。トークン化によってプログラムが強化され、ロイヤリティーメンバーとブランドのエンゲージメントはさらに強固なものになっていくとレポートは指摘した。

KPMGの米国ブロックチェーン部門の責任者であるArun Ghosh氏は、レポートを発表したプレスリリースで以下のように述べた。

「トークン化は、次世代の商業の先駆けです。ブロックチェーンのセキュリティと透明性を維持しながら、新しい資産の作成や従来の資産を再考することで、価値を分類する新しい方法を提供してくれます。トークン化を使用することで、企業は既存のネットワーク内で新しい形式の価値交換を開発することが出来ます。例えば、消費者はロイヤリティーポイントを使用して様々な商人から購入することが可能になります。これにより、より魅力的な顧客体験が得られるだけでなく、価値の移転を促進することで、運用効率も大幅に向上していきます。」

KPMGは、トークン化が企業の戦略的利益をどのように促進できるかについての包括的な理解に基づいて、組織が初期ユースケースとパイロットプロジェクトを選択する必要があるとも述べた。

「技術と市場の準備は整った。あらゆる規模、あらゆるセクターの組織が、トークン化とトークン化された資産を採用し、ビジネスモデルに革命を起こす時が来た。」研究レポートはこう締めくくられた。

参考:KPMG