ブロックチェーンコンサルティングのBUIDLでリサーチャーを務める橋本欣典氏が、7月11日にビットポイントジャパンから流出した33億円分の仮想通貨の、消えた先を追跡しようとしていた事が取材により伝えられた。

仮想通貨がセキュリティを破って流出したと言うニュースは度々テレビなどでも聞くが、最終的な流出先までは報道される機会は少ない。強固なはずのセキュリティが破られた結果の流出なら、その流出先に強固なセキュリティがあったとしても、それをホワイトハッカーが破りかえすことがおきてもおかしくないはず、と言うのは突飛な考えではないだろう。

橋本氏は自身が開発に加わった「SHIEDL」で仮想通貨の流出先を調べようとし、一部の仮想通貨がビットコインの仮想通貨に変えられ、ある特定のアドレスに一度送られた事をデータから予測した。しかし実際はもっと複雑な事も考えられると橋本氏は述べている。

流出させるのと比べて、流れる先の特定の方が困難と言うのはいささか奇異な印象を受ける。

ところが仮想通貨は追跡が容易な方である事を、金融ジャーナリストであるカミラ・ロッソが指摘している。多くの仮想通貨は実際は匿名ではなく仮名で取引されており、IPアドレスを使えば割り出しやすいと言うのである。

とは言え流出された仮想通貨の流れた先が実際に判明しやすいのであれば、そう言った事件の数は大幅に減るはずである。

だが決して絶望的ではない。橋本氏の件もあるし、仮想通貨の流出に多くのユーザーが頭を抱えている中で、ある決定的な出来事があった。

それは2019年6月25日の欧州刑事警察機構が他の警察や組織団体と協力して、29億円もの仮想通貨を奪った犯人を特定して逮捕したと言うニュースである。

このように多くの者達が協力し合えば、仮想通貨の犯罪は防げるかも知れない事をこのニュースは語っている。日本における今回の橋本氏のような、世界中の賢者が集い合う事で仮想通貨の犯罪がかなり稀な世の中になってもらいたい。

参考:CoinDesk Japan