米仮想通貨取引所のGeminiを運営するウィンクルボス兄弟が、FacebookのLibraを高く評価し、プロジェクトに参加する可能性が出てきた。
ウィンクルボス兄弟のキャメロン氏は12日、米仮想通貨メディアのCoindeskの取材の中で、「本格的に(参加を)検討しております。このプロジェクトに興奮しております。」と語り、同プロジェクトへの参加を示唆した。
また、タイラー氏も「私たちの考えでは、これはFANG (Facebook、Amazon、Netflix、Google)の企業の中で実施された最初のトークンプロジェクトです。私たちの予測では、今後24カ月以内にほぼすべてのFANG企業がコインを持っているか、または何らかの種類のプロジェクトに取り組んでいると見ております。」と語り、プロジェクトを高く評価した。
ウィンクルボス兄弟とFacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏はハーバード大学の同級生同士であるが、Facebookの統制をめぐる争いにより、一時敵対関係にあったことが世間の大きな注目を集めた。2010年に公開されたマーク・ザッカーバーグ氏を題材にした映画「ソーシャル・ネットワーク」でもその関係性などが描かれており、”犬猿の仲”であるというイメージを持つ人が多いのではないだろうか。
そんなウィンクルボス兄弟がFacebookの仮想通貨プロジェクトへの参加を示唆しているというのだから、話題となるのも無理はないだろう。しかし、Facebookのザッカーバーグ氏も、今年の5月にはウィンクルボス兄弟が運営するGeminiと会談を行い、仮想通貨がステーブルコインとして流動性や安全性が担保されるのかなどについて話し合ったことを明かしている。
因縁の仲とは言え、お互いにプロのビジネスマンである。一流のビジネスパーソンほど感情を整えることが出来ると言うが、世界トップクラスの大企業を作り上げたザッカーバーグ氏とウィンクルボス兄弟なら、ビジネスチャンスのためなら過去のいざこざなどどうでも良いことなのかもしれない。
何れにせよ、現在ウィンクルボス兄弟とFacebookが目指す目標は整合しており、お互いのプロジェクトに興味を示すのは必然のことと言えよう。ウィンクルボス兄弟はFilecoinやTezosなど他のコインにも個人的な投資を行っており、規制当局の承認が得られるようなことになれば、彼らにとってもメリットは大きい。
Facebookとの訴訟で得た賠償金を元に、ビットコインへの早期投資を行い成功したウィンクルボス兄弟と、訴訟で負けるも巨大なSNS企業を成長させ成功をおさめ、今度は仮想通貨業界へ参入しようとしているザッカーバーグ氏。今後の動きに目が離せない。
参考:coindesk