国際送金システムを運営するSWIFT(国際銀行間金融通信協会)は先週、ブロックチェーン会社のリアルタイムな支払いにGlobal Payments Innovation(GPI)プラットフォームの利用を許可することを明らかにした。
先週末に発表された報告書の中でSWIFTは、R3のCordaプラットフォームでの概念実証が成功した後、「間もなくDLT(分散型台帳技術)ベースの取引プラットフォームでGPI支払いが可能になる」と述べた。
さらにSWIFTは、GPIがDLTプラットフォームが直面する「支払いの課題」を解決するとし、同システムを使用した支払いは取引のワークフロー内で開始され、自動的に銀行システムに送信されると説明した。
SWIFTのGPIは、国際送金の即日着金、手数料の透明化、送金処理の追跡の可能性などを実現するものとして同社の既存のインフラストラクチャ上にエンコードされた一連のビジネススケールで、2017年始めにリリースされた。
レポートによると、現在SWIFTのクロスボーダー支払いの55%がGPIを介して行われており、その支払いフローは40兆ドルを超えるという。
「それらの約半分は数分以内に、そして全てにおいては24時間以内に最終的な受益者である顧客に到達している」とレポートで述べられており、SWIFTの全てのクロスボーダー支払いは“2年以内に”全てGPIを通じて行われるようになるという。
概念実証が開始された今年1月の時点で、SWIFTは支払いフローを監視し、SWIFTおよびISO規格と同様にアプリケーションプログラミングインターフェース(API)をサポートするために、GPI LinkゲートウェイをR3のCordaプラットフォームに接続すると説明した。
当時、R3のCEOであるDavid E. Rutter氏は以下のように語っている。
「Cordaプラットフォームで発生した債務の支払いを考慮したCorda Settlerの発表に続き、SWIFT GPIにプラグインすることは論理的な拡張でした。SWIFT GPIは急速に世界中で支払いを決済するための新しい標準となりました。そのため、Corda上で実行されているすべてのブロックチェーンアプリケーションは、SWIFT GPIバンクを介して提供され、高速で安全かつ透過的な決済の恩恵を受けることができます。」
また、R3がCorda Settlerの支払いエンジンをリップルのXRPでテストし始めたことも注目に値する。まだテストの段階ではあるが、Cordaブロックチェーンという分散台帳技術と、リップル社の送金メカニズムという組み合わせにより、今までは不可能だった数多くの新しいビジネスケースを生み出すことができる可能性は高くなりそうだ。
いずれにせよ、R3は当初から、このテクノロジはさまざまな支払いシステムと相互運用できるように設計されていることを明らかにしてきており、今後の成長へますます期待感を高めた。
参考:SWIFT