米Facebookは18日、仮想通貨「Libra」を使用した金融サービスを2020年に開始することを発表した。これに対しロシア議会米下院から懸念の声があがるなど、早くも話題となっているが、中国のIT大手も興味こそ示したものの、後に続くようなプランは一切ないことを表明した。

中国の巨大IT企業「Tencent」は、ブロックチェーンを独自に開発し、事業への導入を進めている大企業の1つだが、独自の仮想通貨発行の話などは一切出ていない。

同社のCEOであるPony Ma氏は19日、“規制”こそがFacebookの仮想通貨「Libra」のイニシアチブの成功の決め手となると語った。中国版のLINEとして知られるWeChatで、Ma氏は以下のように語った。

「Facebookの技術はすでに十分に成熟しているため、実装はそこまで難しくないでしょう。全ては規制当局の承認を得られるかどうかにかかっていると言って良いでしょう。」

Tencentはこの問題についてこれ以上のコメントはしておらず、同社のコイン発行についてもやはり一切言及していない。2018年3月には、暗号通貨に対する同社の姿勢について、Ma氏は以下のように発言している。

「ブロックチェーン技術の素晴らしさは、それがどのように使用されているかによります。ICOやデジタル通貨の発行は、まだたくさんのリスクを負っています。Tencentはコインを発行せず、それに関与するとは考えていません。」

また、中国大手のAlibabaのペイメント関連会社であるAnt FinancialのCEOであるEric Jing氏も昨年、基礎となるブロックチェーン技術に焦点を当てながら、実質的な価値のないデジタル通貨から離れることを宣言している。FacebookがLibraを発表する直前にも、同社の広報担当は「我々の姿勢は変わっていない」と語っている。

参考:CoinDesk