貴金属の資産運用を行っている会社、Sprott(スプロット)社のCEOであるピーター・グロスコフ氏が、貴金属はデジタル市場において最良の資産となりえるもので、ブロックチェーン技術を活用すれば、金の価値はさらに高まるとの見方を示した。

同氏は、米国・ニューヨーク州の鉱山業界のカンファレンス、Mine and Money Conferenceに出席し、同カンファレンス中の金融メディアであるキトコ・ニュースのインタビューに応じ、金の将来性について語り、鍵となるのがデジタル化であることを説明した。

デジタル化に対し、実際にスプロット社は従来の貴金属取引とブロックチェーン技術を融合させた新規事業に着手している事を明かしした。

同氏は、金の価値は世間で認められつつも不十分な部分として、それは金を日常的な支払い手段として利用されるには不十分な点なことを指摘した。

実際に決済手段として通貨の方が利便性は高く、金を現物で数値化して決済に結びつけるのにも難しい点がある。

これに対し、金とブロックチェーン技術を結びつける事で金は紙幣に替わる存在になると考え、そのためには幅広い場面にて実際にデジタル化された金(デジタルゴールド)が使用されていく必要があると主張している。

現在、仮想通貨ではステーブルコインが注目されてきているが、あくまで紙幣にペグされているステーブルコインがほとんどであるために、どの法定通貨にペグされているかによって通貨危機によるリスクが大きいと捉えることができる。

しかし、金にペグされたステーブルコインが増えてくれば、世界的にも金の価値は認められつつ、安定資産として認知されている事から需要はとても高いと言える。

今後、裏付けとされている金の保有が認められ、決済手段として使用するよう宣伝活動が必要かもしれない。

ステーブルコインのようにボラティリティが少ない仮想通貨のように金は世界的にも限りがあるために、金にペグされたステーブルコインが今後、人気が出てくる可能性は大きいとも言えるだろう。

参考:Yahoo Finance