韓国の中央銀行は、26日に発行された2018年の年次決算報告書に、中央銀行発行のデジタル通貨「CBDC」に関する調査の要約を含めた。

報告書によると、ウルグアイでは2017年11月にCBDCの発行を開始しており、他にもセネガル、チュニジアなどの小国がCBDCを真剣に検討しており、分散台帳技術(DLT)と暗号資産の開発がCBDCをめぐる議論を加速させているという。

報告書にはこれまで行われたブロックチェーンベースのソリューションのテストも含まれていた。韓国の中央銀行もCBDCについては独自の調査を行っており、後に計画は見直されてはいるが、かつては2018年のリリースを検討していたほどだ。

韓国の暗号専門家は、暗号資産の“安定性”と“効率性”が改善されれば、広い範囲で採用されていくだろうと基本的には見ている。

報告書でも、CBDCが異なる金融機関間の取引だけでなく、マイクロペイメントにも使用できるという事実に焦点を当ており、社会と経済の両方に大きな影響を与える可能性があるといことを強調している。

分散台帳を介して取引を追跡し、匿名性を制限することがCBDCの大きな利点の1つであるとされている。ブロックチェーンベースのCBDCは決済後の支払いをキャンセルすることができないため、セキュリティ面においてはより安全であると考えられる。しかし、デジタル通貨を使用しても資金の移動に必要な時間が大幅に短縮されるわけではない、と同報告書は指摘した。

金融政策と金融の安定性への影響に関して言えば、韓国の中央銀行はCBDCが商業銀行の仲介的役割を弱める可能性があると主張している。一部の金融機関はCBDCに預金を預けるので、他の銀行の伝統的預金の数は必然的に減少する可能性もある。

しかし、一方で他方では中央銀行はより多くのクレジットを割り当て、CBDCが発行された時の備えを作っている。専門家は、世界の金融市場全般に影響を与える可能性があるため、CBDCの発行は十分慎重に検討することをお勧めしている。

結論として、韓国の専門家たちは中央銀行が自らCBDCを発行することはないスタンスであることを改めて表明するかたちとなった。しかし、同行は、現金の使用を削減し、デジタル通貨の動向を綿密に監視するという目標を掲げており、CBDC関連の調査についても継続して計画していく方針だ。

参考:韓国銀行