中国の大手銀行であるCICCが、アリペイが導入したブロックチェーン基盤の国際送金サービスについて評価レポートを出したことがわかった。8日、Global Coin Researchによって報じられた。
このレポートによれば同サービスを使えばフィリピン労働者が年間1億香港ドル、日本円にして約14億円を節約できる可能性がある試算した。
もしこれが実用化されれば多くのフィリピン労働者だけでなく、海外で働いている外国人労働者らからも需要が得られるだろう。
アリペイの送金サービスを手がけているアリババの子会社、アント・フィナンシャルは以前からブロックチェーンの研究・開発をしていたが、今回初となるブロックチェーンによる送金テストを行い約3秒で送金を完了させたと発表している。
国際送金市場は現在SWIFTが独占状態となっており、SWIFTは40年以上この市場で古いシステムを使っており、最近ではリップル社のソリューションが台頭するのではないかと注目されている。そこにアリババの送金サービスが参加する事で今後この3社間での競争が激しくなると見られている。
CICCは実際に香港で初めてアリペイ香港を使った国際送金を試し、フィリピン人のメイドに対し月給の一部を支払ったという。この際、サービス手数料なしに他の国境を越えた送金方法より有利な為替レートで国際送金を実行し、全てのやり取りはわずか3秒で完了する事が分かったと述べている。
これにより国際送金で使われているウェスタンユニオンやTNGといったサービスに比べ優位に立つため、SWIFTやリップル社とは別で送金ビジネスを展開している企業にとっては脅威となることだろう。
アリペイは日本国内でも使える量販店や小売店でも使える店舗が増えてきていることもあり、アジア地域で働いている労働者が日本国内にてアリペイを使った決済を使うようになれば、わざわざ両替サービスに行く必要もなくなる。
リップル社は金融機関での国際送金にて評判が上がっているのに対し、消費者に対してはアリババがシェア拡大を広めていく可能性があり、SWIFTは今後既存のシステムを維持し続けるために必死な状況になっていくは間違いないだろう。