改ざんへの強さとデータの永続性、セキュリティ面において注目を集めるブロックチェーン。その特性から元帳を参照し資産のバランスを求めるビットコインの根幹技術として使用されている。

ブロックチェーンデータは分散されて世界中のノードに格納されているため無数のバックアップがあることから永続的にデータが保管される仕組みとなっている。

現在、この堅牢性が反対に問題となるケースが持ち上がった。Bitcoin Satoshi Vision(BSV)上に何者かが違法なファイルを保存した。かつては容量の制限から短い文字列程度しか保存できなかったが緩和により文字データにエンコードされたイメージファイルといった大容量データの保存も可能になってきてる。

完全な分散システムではないインターネットにおいても、一度拡散したデータが完全に消え去ることは難しいとされており、「忘れられる権利」の行使の難しさが問題となることが多いが、ブロックチェーンはそもそも仕様から忘却が抜け落ちている。

今回アップロードされた違法ファイルは日本においても単純所持のみで違法となる児童ポルノ関係の画像と言われている。今回アップロードを行った犯人は当局により既に特定されており、起訴のための必要な情報は全て揃っているとのこと。

ブロックチェーンにアップロードされたファイルを確認できるサービスなどは自動的に違法ファイルをインターネットで公開してしまうということでサービスを一時休止するなどして対応した。今後似たような問題が起きた際の対策としてフィルタリングシステムも導入された。

また、違法コンテンツをブロックチェーンから削除する可能性も模索しているが道筋はまだ立っていない。

参考:BBC NEWS