マサチューセッツ工科大学(MIT)工学部のSilvio Micali教授曰く、ブロックチェーンの開発が真の国境を越えた経済の形成に繋がるとシンガポールで開催されているGlobal Young Scientists Summitにて主張した。
Micali教授はチューリング賞やゲーデル賞などを受賞した暗号学に精通する学者でもあり、非ブロックチェーンベースのマイクロペイメントサービスであるPeppercoinを開発したことでも知られている。
Micali氏によると、ブロックチェーンがより世界経済を開けたものにするためには「安全性」「分権化」「スケーラビリティ」の3つが同時に機能するシステムが必要と話した。これまでのところ2つのテクノロジーしか組み込まれておらず、特にスケーラビリティの改善が問題としてあがることが多く課題となる。
最も普及している暗号資産であるBitcoinも、トランザクションの承認サイクルやブロックサイズからスケーラビリティが問題となり、コミュニティ内での方向性の違いからハードフォークのコンセンサスを得ることが叶わず複数の分派コインを生み出してしまった。
Lightningネットワークの実装など技術革新により改善されるところは出てくるが、スケーラビリティが課題となった良い前例となったのではないだろうか。
暗号学の権威でもあるMicali氏はブロックチェーンと分散型暗号化方式をセキュリティ面で称賛した。しかし、未だ経済の中心にいるとは言い難いブロックチェーンが既にスケーラビリティの問題に直面しているように、今後依存が高まっていくとしたら更にスケーラビリティは非常に重要な問題となるだろう。
参考:EWN