全てのトランザクションを数珠つなぎにすることで分散されたデータの正当性を検証可能にすることがブロックチェーン技術の革新性と根幹である反面、一度ブロックチェーンに刻まれたデータは未来永劫残り続けることから「忘れられる権利」を行使できないことが懸念されていた。
忘れられる権利とは読んで字のごとくだが、例えばあるサービスへユーザー登録するために個人情報を渡すことにしたが、退会時にその個人情報を破棄してもらう、といったことも忘れられる権利の一つとなる。特定の個人・法人に対しての要求であれば簡単なことであるが、インターネット時代には一度流出した情報は無限に複製が可能なため、半永久的にデータは残り続けるという。
その点ではブロックチェーンも変わりないところだが、インターネットであれば拡散前に流出元をせき止めることができれば隔離成功となるが、ブロックチェーンの場合は一度書き込まれれば取り返しが付かないものとされていた。
この問題を解決するべくシドニーのニューサウスウェールズ大学とオーストラリア連邦科学産業研究機構が全てのブロックチェーンインスタンスと互換性のあるリムーバブルなブロックチェーン、Memory Optimized and Flexible BlockChain(MOF-BC)を提案した。ブロックを最適化することでメモリの消費量を25%減少させることも可能だという。また、従来のトランザクションの確定に加え、最適化にもマイナーたちに参加してもらえるようインセンティブを与えられる。
削除不可能な永続化データということでブロックチェーンに刻まれるべきでないとして却下されていたデータなどを保存できるようことで解決するソリューションもありうる大きな前進となるのではないだろうか。