ヨーロッパ最大の港であるロッテルダム港は、オランダの大手投資銀行ABNアムロ銀行と韓国大手企業サムスンのIT部門「サムスンSDS」と提携し、輸送コンテナを追跡するためのブロックチェーンパイロットプログラムを立ち上げた。22日、サムスンSDSが公式ホームページで発表した。
ブロックチェーンパイロットの基礎となるのは、2017年にサムスンによってリリースされたNexledgerのプラットフォームだ。NexledgerプラットフォームはABNアムロ銀行が使用するR3社のCordaブロックチェーンにリンクしており、相互運用性が確保されることで韓国とオランダの完全に別々のブロックチェーンがリンクされることになる。
理論的にはパイロットプログラムに関わる者全員が輸送コンテナの追跡情報にアクセスすることができるという。
ロッテルダム港が10月19日に発行したプレスリリースによると、中国からロッテルダムへの輸送コンテナの追跡は、通常28の異なる当事者が関わっており、すべてのデータは手作業で文書化されているため、間違いや非効率が生じているという。
ロッテルダム港の子会社であるBlockLabによって開発された今回のパイロットプログラムは、「荷送人の視点から運営される独立した世界規模のプラットフォーム」であるとされており、輸送コンテナの追跡をより透明かつコスト効率をよりよく行うことを目的としている。
同パイロットプログラムの実験は来年1月に開始予定で、最初はアジアの非公開の工場からオランダの無名の場所に運ばれてくる輸送用コンテナの追跡に使用され、パイロットの結果は2月にリリースされる見通しとなっている。
参考:サムスンSDS