NEMで作られる経済圏の拡大を目指して2017年3月にシンガポールで設立された財団法人NEM財団が、オーストラリアのメルボルンに新しいブロックチェーンハブを開設したことが明らかになった。

NEMブロックチェーンプラットフォームと仮想通貨XEMを促進するために設計されたハブは、すでにオーストラリアのクイーンズランド州にあるブリスベンとニュージーランドのウエストポートに存在する。

ハブでは教育プログラムやブロックチェーン関連のイベントを主催したり、NEMベースのブロックチェーンスタートアップのビジネスインキュベーターやサポートセンターとしても機能している。

NEMを利用した旅行関連業を営むTravelbyBitなどは、オーストラリアとニュージーランドの支援を受けており、NEM財団にとってオーストラリアという地は明るい見通しを立てている。

NEMのオーストラリアとニュージーランドのハブの責任者であるJian Chan氏は、メルボルンでハブを立ち上げたことは、オーストラリアおよび世界におけるイノベーションを支援していくというNEMの強いコミットメントの現れであると述べた。Chan氏によると、NEMは現在40カ国以上に存在しており、今後もNEMの急速な拡大は、他の国の同様のハブの存在に起因する可能性が高いという。

オーストラリアのビクトリア州政府の支援を受けて2016年に開始されたスタートアップ支援プログラムであるLaunchVicも、新しいハブの誕生とその可能性を喜んだ。

LaunchVicのCEO、Kate Cornick氏は「ブロックチェーンは急速に成長し、進化している技術であり、LaunchVicはNEM財団をビクトリア州のイノベーションハブに迎え入れることを喜ばしく思います。これは、360以上のオーストラリアの新興企業、アクセラレーター、インキュベーターとの協力と革新を祝う他部門のおける共同作業施設となっていく予定です。」と語り、新たなハブの誕生を喜んだ。

起業家の支援やコワーキングスペースの提供を行うBlock Chain CenterのGMであるKaren Cohen氏もまた、さまざまなブロックチェーンプロトコルの違いを理解するためにコミュニティ内の要求に取り組む見通しについて語り、有効的な姿勢を示しているという。

NEMのブロックチェーンハブとBlock Chain Centerは、オーストラリアのフィンテックに特化したコワーキングスペース運営会社Stone&Chalkとも協力していく見通しとなっている。

Stone&ChalkのGMであるAlan Tsen氏は、このコラボレーションにより、「BitcoinとEthereumの認識を超えてブロックチェーンのシーンに多種多様性をもたらし、プラットフォームレベルの仮想通貨のさらなる例と、それぞれの違いの例を見せてくれるだろう。」と語った。

今年の弱気市場に反し、オーストラリアでは政府や地元のサポートなど仮想通貨市場に積極的に関わる姿勢が見られている。NEMはより多くのオーストラリアのパートナーとNEMベースのICOの計画を発表しており、今後も話題を集めることになりそうだ。

参考:CCN