11日、アメリカの仮想通貨関連の有名企業と国内のハイテク技術のベテラン達が、ロビー団体の「Blockchain Association(ブロックチェーン協会)」がワシントンD.Cを拠点に結成したと、米ワシントン・ポストが報じた。

同協会は、ブロックチェーン技術やデジタル資産に関する問題に取り組むために設立され、協会には米最大手仮想通貨取引所のCoinbaseや、フィンテック事業を行う米企業Circleといった大手をはじめ、ICO開始一時間で約2億ドル(約220億円)近くの資金調達に成功したFilecoinのProtocol Labsや、仮想通貨ファンドのPolychain Capitalといったスタートアップ企業が参加している。

ロビー活動を行う団体は様々で、中には不適切なロビー活動を行う団体もあるが、ブロックチェーン協会としては現在の仮想通貨やブロックチェーンを取り巻く法律を上手く迂回して政策立案するのではなく、政策立案者と共に協力して業界の法的規制の問題に取り組みたい企業に対して手を差し伸べるような活動を計画しているという。

例えば、アメリカの税法の下で仮想通貨はどのように定義されているのか、アンチマネーロンダリング(AML、資金洗浄対策)規制とノウ・ユア・カスタマー(KYC、顧客確認)規制がどのように業界に適用されるかについて取り組むといったことが事業内容として挙げられている。

仮想通貨業界でのこうしたコンソーシアム、あるいは共同事業体は、今に始まったことではない。過去には、オーストラリア、中国、アメリカといった国々が、ブロックチェーン企業、金融機関、主要銀行といった異なる協調組織を集め、財務領域内のブロックチェーン技術開発者を取り巻く現地の規制や方針への準拠を確実なものにするために活動を実施してきている。

昨年2017年には、Coinsecure、Unocoin、SearchTrade、Zebpayといったインドの主要ビットコイン企業が組み、インドブロックチェーン仮想通貨協会(Blockchain and Virtual Currency Association of India:BVAI)という組織を結成しているが、これはインド準備銀行(RBI)による仮想通貨に対して発行された警告によって誘発され結成されたものとされている。

さらに今年2月には、英国で活動する7つの主要な仮想通貨企業がCrypto UKという独立した貿易機関を結成した。これは、仮想通貨産業のための自己規制基準を開発することを目的としている。参加している企業は、Coinbase、Etoro、Cex.io、Blockex、Commerceblock、Coinshares、Cryptocompareの7社。

コインベースの最高法務責任者であるMike Lempres氏によると、政策決定者に適切な規制を設けてもらうために、ブロックチェーン協会は「優秀な企業を集める努力をしている」と強調した。さらに、「我々はシステムを操作しようとしているのではなく、長年にわたって賞賛されるような法的規制システムを作っていきたいと考えている。」と付け加えた。

参考:Washington Post