ゴールドマン・サックスによる仮想通貨取引デスクが当面見送られるといった報道があったが、同社CFO(最高財務責任者)であるMartin Chavez氏はこれはフェイクニュースだとし、今はビットコインデリバティブの提供に向けて取り組んでいると語った。6日、CNBCによって伝えられている。

今回の件についてChavez氏は、サンフランシスコで開催されたTechCrunch Disrupt Conferenceの中で、以下のように述べた。

「この言葉を自分自身が使用するとは思っていませんでしたが、あのニュースはフェイクニュースだと断言します。」

また、仮想通貨の取引については前向きなコメントを残している。

「顧客が望んでいるので、ビットコインのデリバティブに取り組んでいます。」

今週初め、Business Insiderが最初のレポートを発表した後、ビットコイン(BTC)やアルトコインの価格は軒並み下落した。ゴールドマン・サックスは、過去1年間、顧客のために何らかの仮想通貨オプションの導入を検討してきた。しかし、具体的には何を計画していたかは明確ではない。

ゴールドマン・サックスの広報担当者は、「デジタル通貨に対する顧客の関心に応えて、この分野でサービスを提供する最良の方法を模索している。」と語った。

Chavez氏は、ビットコインの現物取引についての見解も加えた。

「ビットコインの現物は、とても面白いものです。カストディ(保管)の観点からは、ビットコインのための規制など保護方法の解決策はまだ見当たりません。関心はあるものの、長い道のりになると思います。」

ビットコインのボラティリティ(価格変動率)、セキュリティ、実際の資産の保管場所に関する問題はすべて、機関投資家の参入障壁となっている。ゴールドマン・サックスのような大手が市場に参入する可能性は、昨年の熱狂と価格を押し上げるのに一役買っていただろう。

ビットコインは昨年12月に2万ドルの高値にタッチしたが、この水準まで回復するのに苦戦している。CoinMarketCapのデータによると、仮想通貨市場全体の価値は今年65%以上低下している。

ゴールドマン・サックスが当初の計画どおりビットコインの取引デスクを設置し、また、デリバティブなども取り扱えば市場にとって大きな追い風となるだろう。

今回、取り止めといったフェイクニュースが飛び交ったが、仮想通貨界隈ではこういった誤報は非常に多く、情報を取捨する際は気をつけていただきたい。

参考:CNBC