インターネットブラウザで知られているFirefoxが8月30日、今後リリースするウェブブラウザの新バージョンにて、クリプトジャックを行うマルウェアをブロックする機能を搭載する予定があることを発表した。

クリプトジャックによる被害が世界的に報道されているのに対し、解決策が見出せていない中、今回のFirefoxでの新機能にて他のブラウザにも導入する可能性がある。

今回の新機能は、今後数か月に渡り実施予定のトラッキング防止対策の一部で、Firefoxが発表内で引用した、ブラウザ拡張機能Ghostery(ゴーストリー)の調査によれば、平均的ウェブサイトを読むために要した合計時間のうち、55.4%はサードパーティのトラッキングの読み込みに費やされていたという。

新しいバージョンではデフォルト設定で、ユーザーデバイス上で無許可で仮想通貨を採掘する「クリプトマイニング・スクリプト」などの活動が阻止される仕組みとしており、明確なコントロール設定を提供する事で、ユーザーがウェブサイトにどのデータを提供するか選択の幅を広げることを目指している。

今回のマルウェアをブロックする事には良い機能だが、この機能を今後ユーザーがどれくらい認識しているかによってマルウェアをブロックする確率にも連動すると言える。

今後マルウェアも巧妙な手口を使ってくる可能性があり、ユーザー側が阻止するにはユーザー自身がどれくらいマルウェアを認知し、拒否できるかによって被害の減少が上下されるだろう。

マルウェア側で「必要なアップデート」と偽の通知を発信されることで、ユーザーが必然的に受け入れてしまう事例もいまだ見受けられる。

Firefox以外に、主要なブラウザではOperaが昨年12月の時点で、デスクトップのアドブロッカーに仮想通貨マイニングの防止機能を加え、今年1月にはスマートフォン向けにも同様の機能を加えている。今後も引き続きマルウェア対策としてブラウザ側が様々な拡張機能を提供していく事だろう。

参考:Mozilla