最も採掘量が多いとされている世界最大のマイニング企業BitmainのプレIPO資料がリークし、今年3月31日の時点で100万以上のビットコインキャッシュ(BCH)を保有していたことが明らかになった。これは現在のレートで約6億ドル(約667億円)に相当する。

2017年8月のハードフォーク以来、移転された840万のBCHのうちの12.5%、そして現在流通している1,730万のBCHの5%以上を占めているとされている。

投資家のデッキに最新のデータが掲載されてから約5ヶ月、Bitmainが現在どのくらいBCHを保有しているかによって予想額は前後するが、BCHの「金持ちリスト」のデータによると、66.4万~133万の間であることを示している。

特にBitmainは、BCHの持分が深まるにつれて、ビットコイン(BTC)の持分を念入りに清算しているようだ。Bitmainは3月末の時点では約2.2万のBTCを持っていたが、7.15万以上保有していた2016年12月から大幅に減少している。その代りBCHの保有が100万を超えるほどになったというのだ。

これはBitmainがBCHのためにBTCを直接取引していることを必ずしも意味するものではないが、マイニングやASICの販売など、BCHの買い付けに関連する費用をカバーするためにBTCを販売していることが分かる。

何れにせよ、このデータは少なくとも最近まで、BitmainはBCH関連のコストを食い物にし、急激な市場の悪化の中でコインをホールドし、BCHをサポートしていることを示唆している。

しかし、BCH価格はドルに対してだけでなくBTCに対しても、2018年を通じて急激に低下している。1月1日以降、BCH/BTCは0.18から0.09と約50%低下した。仮想通貨市場での流動性が低いことを考えると、Bitmainは保有しているBCHを清算したくてもすることはできないだろう。

CCNのレポートにもあるように、Bitmainは香港証券取引所(HKEx)への上場を予定しており、それに伴う資金調達額は約180億ドルとされている。もし、これが達成されればFaceBookを超える過去最大のIPOになる。

Bitmainは2016年から2018年の第1四半期にかけて、合計23億ドルの利益をあげており、2018年の1年間では100億ドルの利益を出すと推測されている。しかし上場される前に現在の弱気市場が危機を脱しなければ、BCHの掛け金はいくつかの投資家に重くのしかかることになる可能性もある。

何れにせよ、BTCのマイニングで既に大きな影響力を持つBitmainが、まだ比較的市場規模の小さいBCHに力を入れることで、独占的な存在感を増す可能性はありそうだ。

参考:CCN