トルコで仮想通貨の取引高が増加傾向にある。10日にトルコの法定通貨であるトルコリラがドルに対して過去最安値をマークしたことを受け、同国での複数の仮想通貨取引所における取引高が24時間で100％以上増加した。

先日はイランで法定通貨への信用が弱まるとともに仮想通貨の取引高が増加傾向にあり、今後このような動きが常態化するのか注目される。

トルコリラが急落している背景として、トルコと米国の関係悪化が原因だ。トルコによる米国人拘束問題を巡ってトルコのエルドアン大統領と米国のトランプ大統領は対立を極めている。

トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムにかける関税を2倍に引き上げるなど牽制する一方、エルドアン大統領は経済戦争だと発言した。国民に対して保有するドルや金をトルコリラに換金するよう訴えかけた。

こういった状況の中、トルコでは法定通貨のトルコリラの信用が弱まる中、注目されているのが仮想通貨だ。コインデスクのインタビューに答えたマーケティング担当のトルコ人は、以下のように述べている。

「仮想通貨の取引を開始したのは1年半前です。トルコリラが弱くなってきたので。トルコ政府が今後どのようになるか分かりませんし、政治的・財政的にも不安が募ります。仮想通貨の方が安心して持つことができます。」

こう語った現地人は現在、家族知人から仮想通貨の購入方法について助言を求められているという。また首都アンカラで活動する学者は、地元の銀行への信頼はないと述べ、リップル（XRP）やモネロ（XMR）、ステラルーメンズ（XLM）など仮想通貨への投資比率を多くしているという。

先月には、イランの通貨リアルがドルに対して最安値をつける一方、イランでビットコイン（BTC）の取引高が増えているという報道があった。CCNによると、現地のイラン人は毎月、米国からの経済制裁に備えてビットコインを購入していると話したという。