英国の“ビッグ・フォー”と言われる銀行の1つであるバークレイズで、新しく仮想通貨取引デスクの開設が検討されていることが明らかになった。

米ビジネスニュースメディアのBusiness Insiderは、ビジネス特化型SNSのLinkedInにバークレイズの従業員であるChris Tyler氏のプロフィールが掲載されていることと、その内容を明かした。プロフィールには以下のような記述が記されていたという。

「バークレイズのマーケティング事業の一環として、デジタル資産取引デスクを開設する事業計画を作成するために雇われた。」

現在プロフィールの内容は編集され上記の情報は見られなくなっており、Tyler氏はコメントを控えているが、書かれた情報については本人も認めているという。そのプロジェクトには、バークレイズの元トレーダーであるMatthieu Jobb Duval氏がコンサルタントとして参加していた。

しかし、バークレイズの広報担当者は、挙げられた2人の従業員は間違いなくバークレイズの社員であると説明した一方で、取引デスクを開設する予定はないと述べた。

米ブルームバーグは今年4月、バークレイズは仮想通貨の取引デスクの開設に関する顧客の関心を積極的に測定していると報じている。銀行がそのようなプロジェクトを検討しているという噂が以前からあったことは確かである。この件について、広報担当者は以下のように述べた。

「我々はデジタル通貨分野の開発状況を常に監視しており、顧客との間でこの市場におけるニーズと意向について対話を続けていくつもりである」

長い間監視と対話が続いているようだが、実際にニーズや関心があるのかどうかは明かされなかった。仮想通貨の誕生と爆発的な人気によって、銀行が取引デスク開設の計画を立てるために従業員を雇ったことは明らかであるが、何れにせよこの計画は現在廃止されているか、秘密にされているかのどちらかである。

仮想通貨の業界で新たな選択肢を模索している金融機関はバークレイズだけではない。大手投資銀行ゴールドマン・サックスも取引デスクの立ち上げを計画しており、金融大手モルガン・スタンレーは新しく出来た仮想通貨部門を率いるために、大手銀行のCredit Suisseからビットコインの専門家を引き抜いてきている。

同じく金融大手のJPモルガンは新しく出来たデジタル資産戦略部門に29歳のOliver Harris氏を起用するなど、各大手金融企業の動きは昨今活発化してきている。

「結論に達していない」「検討中である」「コメントは控える」といったように、各社は多くを語ろうとしないが、大手企業とその顧客の仮想通貨への関心は間違いなく高まってきていると言っていいだろう。

参考:Business Insider