ナスダックのCEOである、アデナ・フリードマン氏がICO(イニシャル・コイン・オファリング)に対し、個人投資家にとって大きなリスクを抱えていると見解を示した。20日、CNBCによって伝えられた。

仮想通貨業界の著名人が相次いでICO市場に対する警告を発する中、米国の主要株式市場のトップもこれに呼応する形で発言した事で、米国のICO市場に暗雲が漂うこととなった。

フリードマン氏は、20日にフィンテックの未来というコンファレンスで講演し、ICOは個人投資家を搾取しているとした上、ICOプロジェクトに対して深刻な懸念の意を表明し、未熟性に対してコメントしている。

具体的には、ICOはルールがないもの同然であり、企業が否定無しに投資家からお金を取る一方で情報や管理体制を明らかにしないなんで、私にとっては投資家の搾取のように聞こえると言う。

また、フリードマン氏は、詐欺的なICOの犠牲者はたいてい投資初心者で、ほとんどの場合で必要な情報をとってこれないと強調し、さらに米国証券取引委員会(SEC)が新規公開株式(IPO)に倣ってICOを実施するスタートアップに対し投資家に情報を提供するように呼びかけているものの、現状はほとんど監督者がいない状態と見ている。

ICOは非中央集権ネットワークがメリットがある面、反対に誰かが管理しない限りには、悪意を持っている者がICOの募集をかけることで騙されれる投資家は後を絶たない事になる。

さらに、ICOの領域では必要な情報がなく、それなのに買い手の全てが個人投資家であり、透明性や規制の欠如、責任の所在が不明確なことに対し私は大きな懸念を抱いていると言う。

今週に入ってからはICOに対しSECがさらに規制を強化するのではないかという予測も出ている。

ICOは企業にとってはクラウドファンディングより、多額の資金調達が簡単にできるとしてメリットがあるが、それでも市場からまた詐欺的なことと疑われる事もあり、ICOを行う事で企業イメージが損なわれる事もあるために健全な企業であれば今後、実施するのは避けようとすることも考えられるだろう。

参考:CNBC