米トランプ政権の行政管理予算局長のMick Mulvaney氏は、米国政府は仮想通貨を監督する上で、ビジネスにおいて最も効果・効率の良いポイント、いわゆる“sweet spot(ちょうど良いポイント)”を見つける必要があると、20日にニューヨークのリンカーンセンターで行われた「Future of Fintech conference」で語った。

「ビットコインについては他の金融テクノロジーと同様に、我々は早い段階でsweet spotを見つける必要があると認識していた。マウントゴックスのような一件が定期的に発生することになれば、市場への信頼を損ない、革新が阻止されてしまう。我々が過剰に規制すれば人々の市場への参入の妨げになるし、悪い結果をもたらすことになる。」

2014年に、取引所のマウントゴックスでビットコインが消失して以来、日本でも金融庁は利用者の保護とイノベーション促進のバランスがとれる制度を慎重に模索してきた。マウントゴックスの反省を踏まえ、政府は17年4月に改正資金決済法を施行し、世界で初めて取引所に登録制を導入した。

登録にあたっては、利用者の金銭・仮想通貨の分別管理等、利用者保護のための措置が適切に行われる必要があることを義務付けた。他国に先駆けて利用者保護の枠組みを整備した日本だが、今後も引き続き規制や法整備が必要となってくるだろう。

アメリカでも、証券取引委員会(SEC)が今年3月に「ビットコイン(BTC)などデジタル資産の取引プラットフォームは、SECへの登録を必須にする」と発表した。以来この数カ月、アメリカではICOの規制強化や、証券法違反容疑で取り締まりを強化するなど、規制強化への動きが強まってきている。投資家の保護を図ることは当然だが、その際Mulvaney氏が言うように、革新の足枷となってしまわないよう細心の注意を払う必要がある。

現状については「ゴルディロックス(ちょうど良い状態、良過ぎず悪過ぎない状態)を探している最中」と、Mulvaney氏は説明した。さらに、投資家保護の懸念についても以下のように語った。

「新しく革新的な技術である、非銀行系システムであると言うが、そもそも自分のお金にアクセスできないとなると大問題だ。その点については法律は正しく機能していると言っていい。今我々が果たそうとしていることは、既存の法律が意図しない悪い結果を招かないようにすることである。」

投資家保護を図りながらも市場の革新性が失われないという“ちょうど良い”規制が今は求められている。今後も市場では、こうした規制強化と技術発展とのせめぎ合いが続きそうだ。

参考:CoinDesk