マネーロンダリング(資金洗浄)とテロ資金供与に対抗する37カ国によって設立された政府間機関、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)が、仮想通貨の規制を国際基準に格上げする準備を進めていると、12日、ロイター通信が日本政府関係者からの情報をもとに伝えた。

今月24日には、国際的な規制の導入に向けた話し合いをしていく方針であるという。

今年初めに、仮想通貨のマネーロンダリング使用に対して機関が統一的な取締のアプローチを要求した際も、とくに日本政府は積極的に取り組んだ。2020年には率先してG20のリーダーシップをとっていくとしており、規制の国際基準化についても、遅くとも2019年までに採用することを推し進めていると言う。

2015年6月、FATFは仮想通貨交換業の規制に関するガイダンスを公表した。その内容は、交換業の登録制か免許制の導入、マネロン防止のための顧客の本人確認、疑わしい取引の届け出、記録保存義務を求めるといったものであったが、実際にこのガイドラインは拘束力がなく、国家間の執行は無効となるため、矛盾している部分があった。

今後は、2015年に公表したガイダンスが3年経った今も妥当かどうかを検討し、現在の仮想通貨取引所に適用できるかどうか、また、仮想通貨取引所を禁止している国についてはどう適用されるかなどが焦点になると見られている。

日本の当局は、欧州連合(EU)の政府と米国については、提案された拘束力のあるルールに協力するよう説得できる可能性は高いとしているようだ。世界で初めて仮想通貨セクターを規制した主要経済国であることを考えれば、説得できる可能性は確かに高そうだ。

FATFの加盟国は、中国、フランス、ドイツ、インド、日本、韓国、ロシア、南アフリカ、スウェーデン、トルコ、イギリス、アメリカに加えて、欧州委員会と湾岸協力会議の2つの地域組織が属している。FATFの影響力が直接及ぶのは、これら加盟国のみであり、新興国でのマネーロンダリング対策強化に対しては、今回のG20での方針がどの程度影響力を持つのかは不確実である。

参考:Reuters