クウェートの大手銀行であるクウェート国立銀行(NBK)が、Ripple(リップル)社の送金ネットワーク、RippleNetに参加したことが明らかになりました。30日、アラビア圏の日刊高級紙、ARAB TIMESによって伝えられています。

RippleNetとは、金融機関における国際送金を安価かつスピーディに行うために開発された、法人向けの国際送金サービスです。ブロックチェーン技術/DLT(分散型台帳技術)を活用しており、現時点でイギリス、シンガポール、タイ、サウジアラビアなどの中央銀行やクレディスイス、バークレイズ、バンクオブアメリカ、JPモルガンをはじめ世界各地の大手金融機関が数多く参加しております。(ここで挙げている機関・企業はごく一部です)

NBKの副会長であるシェイク・アル・バハール氏は、RippleNetへの加盟について以下のように語りました。

「RippleNetに加入したことで、ネットワークのメンバーと他の金融機関を結ぶ高速なネットワークにアクセスできるようになったことを喜んでおります。このソリューションは、国際的な市場や、UAEやサウジアラビアを含むいくつかのGCC(アラビア半島の産油国からなる地域協力機構)市場において、即座な資金移動やエンドツーエンドの追跡を提供することを可能にしてくれます。これにより顧客サービスは大幅に向上するでしょう。」

RippleNetのソリューションにより、革新的な国際送金を可能にしたNBK。当社は規制当局から必要な承認を得た後、このサービスをクウェートおよび海外支店に適用していく予定であると言います。

この地域では、UAE Exchangeといった大手送金業者、RAK BANKといった大手銀行や、サウジアラビア通貨庁といった中央銀行もリップル社と提携しており、現在送金が抱える問題を解決していくよう取り組みを進めています。

銀行と顧客の双方に利益をもたらすこのソリューションにより、NBKは企業のアイデンティティを維持しながら、さらに企業コンプライアンスに影響を与えることなく、世界レベルのサービスを提供するデジタル銀行へと変貌を遂げたと、アル・バハール氏は語りました。

東南アジア、およびMENA(中東と北アフリカ)諸国のマネージングディレクターであるリップル社のナヴィン・グプタ氏は、以下のように語りました。

「クウェートの銀行パートナーとしてNBKをネットワークに参加させることが出来て嬉しいです。顧客との安全な取引を確保しながら、国際標準に準拠した革新的なサービスを提供することで高い評価を得ることが出来ております。」

また、リップル社は30日、今回NBKでxCurrentのソリューションを活用するといった内容を公式ツイッターにて投稿しています。

先日26日には、クウェート最大の銀行である、クウェート・ファイナンス・ハウス(KFH)がRippleNetに加わり話題となりましたが、KFHに続き大手銀行であるNBKも加盟し、クウェートでますます広がりを見せているRippleNet。

戒律の厳しいイスラム圏でリップルの技術・サービスが受け入れられたことの影響は決して小さくないでしょう。今後同じイスラム圏の金融機関による参加数の増加を期待させる動きとして注目されます。

参考:ARAB TIMES