SEC(米国証券取引委員会)は、投資家に詐欺的なICO案件を認識してもらうため、当局でHoweyCoinsと呼ばれる模擬ICOのサイトを立ち上げました。これはおそらく、もともと最高裁が特定の取引が投資契約に該当するかを判断するために作成した投資契約の該当性の審査基準のひとつである“Howey test(ハウィー・テスト)”にちなんで作られたものだと考えられます。

HoweyCoinのサイトでは、ブロックチェーンを採用した偽の“旅行サービス”を紹介しており、サイト内では旅行業界のすべてのセグメント(航空、ホテル、レンタカー、高級セグメント)と提携していることや、通常かかる手数料がかからないといったことを謳っており、コイン購入へと誘導しております。

コインの購入画面へのリンクをクリックすると、サイトや提案自体がニセモノであるということを注記したサイトへとリダイレクトされ、サイト内では詐欺案件の特徴が紹介されており、詐欺の実例などを詳しく知ることが出来ます。以下はサイトの説明より抜粋。

「私たちは、投資家の皆様へ仮想通貨やICOを含むデジタル資産詐欺への警戒を呼びかけるために、教育ツールとして偽のサイトHoweyCoins.comを作成しました。」

紹介されている詐欺の例としては、高い利回りを保証する案件や、著名人による支持を謳っている案件、SEC規制に準拠されたことを謳っている案件、クレジットカードでの購入可能を謳う案件、風説の流布など、様々な事例が挙げられております。

また、bitFlyer社のCEOである加納裕三氏は17日、このサイトについて確認するべきだとツイッターに投稿しました。

ICOには審査がなく、業界は野放しな状態となっていることは確かです。ICO詐欺に引っかからないためにも、上記のような実際の詐欺の例を知り、自身の身を守っていく必要があります。こういったSECによる詐欺への警戒を呼びかける活動により、詐欺師に騙されてしまう人が少なくなることを願います。

参考:HoweyCoins