オーストラリアの財務情報機関であるAustrac(オーストラリア取引報告分析センター)は3日、ビットコインに関する新たな義務について公表しました。オーストラリアの仮想通貨交換業者は、アンチマネーロンダリング(AML)とテロ資金供与対策(CTF)のために作られた新しい法案に従うこととしています。

具体的には、仮想通貨交換業者は今後Austracに登録し、AML/CTFプログラムを採用・維持するとともに、ユーザーを特定・検証し、不審な行動や、10,000豪ドル(約82万円)以上の通貨建ての取引を行う際は報告する必要があり、この記録を7年間維持する必要があります。

2018年4月3日から6ヶ月、この政策方針は実施される予定となっており、仮想通貨取引所が遵守するための合理的な措置を取ることができない場合、AustracのCEOは執行措置を取ることができます。

Austracに登録されていないまま交換サービスを提供すると、犯罪行為としてみなされ、刑事罰金や罰金を科せられるとAustracは説明。また、仮想通貨交換業者の登録申請が検討されている間、移行手続きにより既存の企業は引き続きサービスを提供することができますが、5月14日までに登録する必要があるということです。これは、日本の金融庁への登録制のように一定期間を設けた上で、申請期間中は“みなし業者”としての扱いになるものに近いと考えられます。

昨年12月初めに「マネーロンダリング防止と、対テロ資金調達の改正案2017」がオーストラリアの上院議会で承認されたことで、専門機関であるAustracに国内のビットコイン取引を公式に規制する権限が与えられ、今回の義務が設定された形となりました。

この法案の可決に伴い、Austracに登録した取引所は銀行やその他の現金取引と同様の規制に従って運営していく必要があり、これにより、ビットコインなどの仮想通貨は外貨と同じ扱いを受けることになります。

今回のオーストラリアの法案は、仮想通貨交換業を行う上で金融庁の登録が義務化されている日本の仕組みと非常によく似ています。オーストラリアだけでなく、世界各国でビットコイン及び仮想通貨の監視が今後も強化される流れになりそうです。

参考:Austrac