BIS(国際決済銀行)は12日、中央銀行が発行したCBDC(中央銀行デジタル通貨)により、銀行業務のスピードを加速させる可能性があると報告しました。

中央銀行を束ねる銀行として機能している国際決済銀行は、デジタル通貨を開発して立ち上げることを望んでいる人たちは、特に金融政策と全体的な安定性に関連して、CBDCの発行は「慎重に検討」するべきだと主張しました。

国際決済銀行は、CBDCは支払いには使えるかもしれないが、正当な評価をするためにはより多くの作業が必要であると指摘しました。

「CBDCを発行することで、商業銀行の預金に影響を与える可能性が高い。支払いを主に念頭に置いて設計されていても、市場にストレスがあった場合には、より金融の不安定化を招く恐れもある。」

また、報告書によると、預金者がデジタル通貨によって資金を移動することが容易であるため、銀行業においてさまざまな問題に直面するという仮説も立てています。

国際決済銀行のジェネラルマネージャーである、アグスティン・カルステンス氏は以前、ビットコイン(BTC)を「バブルとポンジ・スキームと環境破壊の組み合わせ」として強く批難し、単なる投機的な熱狂であり、普及についても道のりは遠いと見解を示しています。

しかしながら、国際決済銀行としてはその根幹技術であるブロックチェーン技術/DLT(分散型台帳技術)については効率化が図れるとも見ており、この技術は有望とも考えています。また、中央銀行として広く採用されるには時間もかかるともしているため、技術を認めながらも実用に向けては具体的にどのようにするべきかは難儀している様子です。

各国の中央銀行ではCBDCの発行に向け技術開発を進めていますが、国際決済銀行がこれをどう汲み取るのか、今後の進捗が見守られています。

参考:CoinDesk