国内大手仮想通貨取引所のCoincheck(コインチェック)は8日、1月26日に起きた仮想通貨ネム(XEM)の不正送金の事象への対応を、東京都内で行われた記者会見の中で明らかにしました。

これまで、不正送金されたXEMは自己資本で補償するとしながらも、時期などは明確にされていませんでしたが、来週(3月11日以降)を目処に日本円換算1XEM=88.549円で補償し取引所の残高に反映、一時停止しているその他サービスもシステム上の安全が確認され次第順次再開していく予定とのことです。

現在停止中のアルトコイン(ビットコイン(BTC)以外の仮想通貨)の入出金や売買取引などサービスの再開に関しては、匿名性の強い通貨の取り扱いが懸念されていましたが、そうでない通貨も同様にリスクを考慮した上で安全が確認されたものを取り扱うよう検討するとのことです。また、現時点では特定の通貨に対し、取り扱い廃止が決まっているものではないとしています。

不正送金の経緯についても説明があり、コインチェック社員の使用する複数端末に外部からメールが送られ、このメールを通してマルウェアに感染し、秘密鍵が盗まれたとのことです。顧客資産保護のため、こういった外部からの攻撃の対策として、管理体制やシステムを強化していくとしています。

管理体制が追いつかなかった原因として、2017年4月頃から急速にユーザーが増加し、それに伴う取引量増加が考えられており、2017年7月時点では取引高が約2,800億円だったのに対し、同年12月には約3兆8,000億円にまで拡大し、人員が不足していたことも挙げています。また現在、170万口座が開設されているとのことです。

本日8日に金融庁から2回目の業務改善命令が発出されたばかりで、コインチェックのユーザーからは不安と安心と入り混じった声が聞かれ、今後の進捗が注目されています。来週には、コインチェック公式ホームページにて、正式な発表を予定しておりますが、何よりも無事に事態が収束し、取引所として再開されることが願われます。